ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
テーブルクロスに落ちたフォークを拾い
、そこについた生クリームを紙ナプキンで拭いていると、
「お客様、エアコンの温度少し下げましょうか?」
先輩が頼んだ珈琲を運んできた同い年ぐらいの女性の店員が、私の耳まで真っ赤になった顔を見て言った。
「くくくっ」と笑いを堪えるように肩を揺らしている先輩に、更に顔が熱くなる。
う、うわーん!
やっぱり先輩にはわかっちゃったんだ。
私が先輩とのあんなことやこんなことを想像して赤くなってること。
しかもタイミング悪く、店員に気を遣われちゃうし…
恥ずかし過ぎるよぉ……
「いっ、いえ!大丈夫です」
穴があったら入りたい、とは正にこのこと。
自分の妄想が対象の相手に知られることほど恥ずかしいことはない。
その後、店員が一言二言何か言っていたけど、それが聞こえないぐらい頭の中はいっぱいいっぱいで。
気付いたら、店員は他のお客さんの接客に回っていた。