ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
卒業式に告白…
そんなことまで、先輩は美緒さんに話していたんだ。
「あの話をされた時、不安に苛まれました。トシはすぐ顔に出ますから。あの時のトシは凄く嬉しそうでした」
「っっ、」
「嫌な予感がしたんです。もしかして、告白してきた子と繋がりがあるんじゃないかって。だから、学園祭に私も連れてってお願いして、無理矢理ついて行ったんです」
美緒さんと先輩の言ってることが違い過ぎて、頭が混乱する。
どっちが本当で、どっちが嘘?
今の私の頭では判断がつかないぐらいパニックに陥ってる。
「…そして、学園祭で貴方を見つけた」
少し間を置いて言った美緒さんからは、弱々しさではなく、何か決意したような強さを感じた。
思わず顔を上げ、初めて彼女と目が合った瞬間、息を飲んだ。
薄っすらと涙を浮かべてる美緒さんは、それを絶対に流すまいと抑え込んでるせいか唇が微かに震えている。