ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
美緒さんは、私が想像していたのとは全く別の穏やかな表情を浮かべている。
「許せない…貴方もトシも、そして自分自身も」
「自分、自身…?」
「トシが浮気したのは、少なからず私にも責任はあります。バイトだのサークル活動だので、大学に入ってからはトシからの誘いを半分以上断っていました」
美緒さんは大学に入るとすぐにサークルに入り、積極的に様々なボランティア活動に参加してきたらしい。
とにかく沢山のことを経験して、自分の進む道を見つけたい。
そんな美緒さんの考えを聞いて、最初は応援していた先輩。
高校の時と変わらず相思相愛で、お互いを理解し助け合ってきた、と美緒さんはずっと思っていた。
なのに、
「トシから連絡が来る回数も徐々に減って、メールもなかなか返って来なくなりました。それでも、私はトシも忙しいんだって思い込んで、トシの変化に気付いてあげられなかった」