ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
自分勝手なお願いだって重々承知してる。
これ以上、先輩に会う資格なんて私にはないし、会うことでスッキリするのは私と先輩だけで、美緒さんには不安で辛い時間になることもわかってる。
だけど、それでも最後に先輩に会いたい。
この間まで凄く凄く大好きだった人。
今でも好きな気持ちは、完全に捨てきれていないのが現実。
そんな先輩に、ありがとうと、ごめんなさいと、さようならをちゃんと言いたい。
「美緒さんが立ち会ってくれても構いません。だから、どうかお願いします」
「トシに話しておきます。二人が納得するまで話して下さい。私は、トシを信じて待っていることにします」
やっぱり、美緒さんには敵わないと改めて思った。
私も彼女みたいに、強くて、真っ直ぐで、純粋で芯のある素敵な女性になりたい。
「それでは、私はこれで」
カフェラテの最後の一口を飲み終えると、美緒さんはそう言って立ち上がった。