ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
先輩の反応を見るのが怖い。
呆れられてたらどうしよう…
こんな妄想女となんて、一緒にいたくないって思われてたら…
私…そんなの嫌だよ…
なかなか顔を上げられず、膝の上でスカートをぎゅっと握った。
…だけど。
聞こえてきた声は思っていたのとは全く違うもので。
「恵里奈ちゃん。顔、上げて?」
先輩はまるでいじけた子供をあやすように優しくて、私の心臓を煩くさせるには十分だった。
先輩はズルい。
いつもいつも私だけこんなにドキドキさせられて、先輩は余裕だなんて。
私ばっか好きで…
先輩は心の中をなかなか教えてくれない。
「えーりーなーちゃん?」
さっきとは違い、今度は赤ちゃんに話掛けるような甘い声。
もう!先輩のバカ!意地悪!
そもそもこうなったのは、先輩があんな突拍子もないこと言ったからなのに!
一人だけ涼しい顔しちゃってさ!
変な意地が、なかなか私を素直にさせてくれない。