ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
「恵里奈、帰ろー」
「ごめん、今日先輩と話があるんだ。先に帰っててくれる?」
約束の日の部活後。
先輩との約束があることを言うと、瀬奈はひどく驚いたように目を見開いた。
瀬奈は私と先輩の関係を知らない。
「石川先輩と?」
「うん」
「それって…」
「告白じゃないよ?」
そっか、と言いつつもまだ納得してない様子の瀬奈。
そりゃ私達の関係を知らない瀬奈には、今になって告白以外に何を話すかなんて、全く予想も出来ないだろう。
「あのね、瀬奈にも聞いてもらいたい話があるの」
やっぱり、親友の瀬奈には話したい。
私がどんな恋愛をして、どんな過ちを犯して、今誰が好きかを。
私と先輩の関係を知ったら、瀬奈は私を嫌いになるかな…
離れていってしまうかな…
それが怖くて、今まで内緒にしてきたけど。
なんでそんな心配なんかしたんだろう。
瀬奈はそういう子じゃないって、私自身がよくわかってることなのに。