ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜


「恵里奈、帰ろー」

「ごめん、今日先輩と話があるんだ。先に帰っててくれる?」


約束の日の部活後。
先輩との約束があることを言うと、瀬奈はひどく驚いたように目を見開いた。

瀬奈は私と先輩の関係を知らない。


「石川先輩と?」

「うん」

「それって…」

「告白じゃないよ?」


そっか、と言いつつもまだ納得してない様子の瀬奈。

そりゃ私達の関係を知らない瀬奈には、今になって告白以外に何を話すかなんて、全く予想も出来ないだろう。


「あのね、瀬奈にも聞いてもらいたい話があるの」


やっぱり、親友の瀬奈には話したい。

私がどんな恋愛をして、どんな過ちを犯して、今誰が好きかを。


私と先輩の関係を知ったら、瀬奈は私を嫌いになるかな…

離れていってしまうかな…

それが怖くて、今まで内緒にしてきたけど。


なんでそんな心配なんかしたんだろう。

瀬奈はそういう子じゃないって、私自身がよくわかってることなのに。



< 143 / 284 >

この作品をシェア

pagetop