ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
「好きだった。初めて見たあの日から」
ドキッと、大きく跳ね上がる心臓。
突然の告白に、頭が真っ白になる。
まさか、先輩も私の事を好きでいてくれたなんて想いも寄らなかった。
でも…
「過去形なんですね」
好き“だった”と言った先輩。
先輩も私も、この泥沼から抜け出そうと必死にもがいていて。
私よりも早く、先輩は美緒さんに青い芝生の上へ引き上げてもらったんだ。
これからはその広い草原を、もう二度と泥沼にはまらないように、手を繋いで歩き続けるだけ。
「私も言わせて下さい」
私は、一人でここを抜け出さなければならない。
抜け出したその先に、幸せがあると信じて…
「私も先輩が好きでした。先輩の真似をしたり、先輩を影から見てるだけで幸せでした。私の初恋が先輩で良かったと思っています」
「望月さん…」
「少しの間でしたが、夢のような時間をありがとうございました!もう、会うことはないと思いますが、美緒さんと幸せになって下さいね!」