ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
「お前…うっさい」
迷惑そうに眉を寄せ耳を塞ぐ並木さんのことは、とりあえず今はスルーしておいて。
柚姫ちゃんに電話しようと慌てて携帯を取り出すと、メールが来ていることに気付き、すぐにそれを開いた。
【並木さんと仲良くね!柚姫】
う、嘘でしょ…
ホントに嵌められたんだ。
仲良くねって、私一体どうしたらいいのよ…
それに、あの並木さんだよ?
ダルいとか面倒臭いとか言って絶対帰っちゃうよ。
携帯を見つめたまま、頭をフル回転させて考えていると。
「ほら、行くぞ」
並木さんがぶっきら棒な声で言った。
「行くって、何処へ?」
「そうだな…お前ら何処行く予定だったんだ?」
「遊園地…」
「じゃ、そこで決まりな」
私に背を向けて、スタスタと歩き出す並木さん。
そこで決まりって、もしかして一緒に行ってくれるの?
面倒臭くて帰っちゃうかと思ったのに。
「早くしろよ。置いてくぞ」
振り返った並木さんに、胸がドキッと弾む。
並木さんとデート…
嬉しくて、信じられなくて、つい顔が綻んでしまう。