ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
目の前に置かれたのは、沢山のフルーツとたっぷりの生クリームが乗ったトロピカルパンケーキとアイスティー。
あまりの豪華さに、思わず「うわぁ…」と声が漏れた。
「食べていいんですか?」
「どうぞ」
ナイフで一口サイズに切ったパンケーキに、生クリームと白桃を乗せて口に運ぶ。
口の中いっぱいに広がる優しい味。
「美味しい…並木さんっ!これホントに美味しいです!」
そう言って、並木さんに目をやると、今まで見たことがないぐらい柔らかな笑顔の並木さんがいた。
胸がドキッと跳ね上がり、瞬きも忘れてしまうほど見惚れてしまう。
こんな不意打ち…反則だよ…
「やっと笑ったな」
「え?」
「ずっと眉間に皺寄せて、思い詰めた顔してたろ?お前は笑ってた方が可愛いよ」
「っっ‼︎ゴホッ…ゴホ…」
並木さんの思いも寄らない言葉に噎せてしまい、慌ててアイスティーを流し込む。
今の、私の聞き間違い?
あの並木さんが、私を可愛いって言った?