ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
「泣きそうなくせに無理矢理作った笑顔でお礼を言うお前が頭から離れなくなって…気付いたら無意識にお前を探してた」
「っっ」
私を、探す…?
恥ずかしそうに薄っすらと頬を赤く染めて視線を外す並木さんに、胸の鼓動がより一層加速する。
目の前の並木さんは、本当に並木さんだろうか。
疑いたくなるほど、今日の彼はいつもと違う。
「たまに駅でお前を見掛ける度に、こいつはどんな風に笑うんだろうって考えてた。何でだろうな、お前の無理矢理笑った顔じゃなく、本物の笑顔が見たいって思ったんだ」
や、やめて…
「初めてお前があいつと店に来た日の自分の落胆振りには笑った。まさかここまで、見ず知らずの高校生相手に振り回されるとは思ってもいなかったしな」
やめてよ…
「俺が見たかった笑顔を、お前があいつに向けた瞬間、俺は自分の気持ちに気付いた」
それ以上、もう言わないで…
「いや、とっくにわかってたのに気付かない振りをしてたんだ。俺はお前を」
私、馬鹿だから…期待しちゃうよ…
「好きなんだって」
貴方の一番になれるって。