ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
並木さんの、部屋…?
並木さんの言葉の意味を理解して、一気に顔が熱くなる。
「ふっ。お前、今エロいこと考えたろ?」
「なっっ‼︎別に考えてーー」
並木さんは、私の言葉ごと飲み込むように唇を塞いだ。
息をする間もない。
私を求めるようなキスは、やがて私の脳を麻痺させる。
「っ、んん…」
並木さんが角度を変えようとしたほんの一瞬の隙に息を吸おうと口を少し開くと、それを逃すまいと並木さんの生温かいものが口内にするりと侵入してきた。
それは歯列をなぞり、私の舌を刺激する。
初めての大人のキスに、ぞくりと身体が震える。
もう、これ以上は…頭がおかしくなりそうだった。
深くなるキスに耐え切れず、握られた手を強く握り返すと、並木さんの唇は名残惜しそうにゆっくりと離れた。
親指で唾液の付いた唇を拭う並木さんが色っぽくて、破裂寸前の心臓が追い打ちをかけるように更に跳ね上がる。
完敗、だ。
私はきっと、いつになってもこの人に翻弄されることだろう。