ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
「今日はこれぐらいで勘弁してやるよ」
ぽんっと頭に手を置いて、にやっと笑う並木さん。
その笑顔に、もう心臓は爆発寸前だ。
この人のフェロモンは、強力過ぎて私の心臓がもたない。
「ほら、食えよ。なんなら食わせてやろうか?」
「結構ですっ!」
これ以上、近くにいたら本当に危ない。
食べさせてもらうだなんて以ての外だ。
そんなことしたら、鼻血出して貧血で倒れちゃうと思う。
「ぷっ!真っ赤になって茹で蛸みてぇ」
「誰のせいでっ!」
意地悪な並木さん復活!
私の頬をぷにっと摘まんで大笑いする並木さんに、つい大声を上げてしまった。
ああ…あの優しくて甘い並木さんは何処へ…
もしかして、さっきの彼は私が作り出した幻想なのかもしれない、と本気で思ってしまう。