ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜


多分、今ぶつかったからあんな顔をしてるわけじゃない。

なぜなら、恵里奈の目は真っ赤になり泣き腫らした後のような酷い顔をしていたから。


あんな目が腫れるまで泣くなんて…
一体何があったんだ?


恵里奈は再び、歩き出す。
案の定、思い詰めたように俯き、涙を拭う仕草までして。

どっからどう見たって危なっかしい。
それに、最近この辺は治安が悪いし、あんな弱々しい制服姿の女子高生がいたら格好の餌食だ。

そう思ってた矢先…


『ねぇねぇ、どうしたの?彼氏と喧嘩でもした?』

『俺達が慰めてあげるよ』


ニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべた若い二人組が、恵里奈の前方を塞ぎ顔を覗き込むようにして近付いた。

『い、急いでるので』と、断るも全く動じることなく恵里奈を逃さない男達。

そりゃそうだろ。
そんなんで、諦めるわけがない。






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