ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜


「つ、剛…ごめんなさい…私ったら調子に乗っちゃって…恵里奈ちゃんがいたのに」


ハルが眉を下げて、申し訳なさそうに両手を合わせる。

誰のせいでもなく俺のせいなのに、恵里奈のことで頭がいっぱいで「いや…」としか言葉が出てこない。


今頃泣いてないか…
無我夢中で走って迷子になってないか…(前歴あり)

変な妄想して、変なことを考えてないか…


「…悪い、ハル。早退するわ」


プライベートなことで仕事を放り出すなんて社会人としてあってはならない。

だけど、仕事よりも。
何よりも大事なものを、俺は見つけたんだ。

失いたくない。
もう、あんな思いは御免だ…!


ハルの有無も聞かず、スタッフルームに戻ると財布と携帯、車の鍵を持って店を飛び出す。

恵里奈が行きそうなとこを必死に頭で思い浮かべていると、突然腕がグイッと引かれた。


「剛っ!」

「京子…悪い。今は時間ないんだ」

「あの子、もしかして剛の彼女?」


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