ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜


あの日以来、今まで以上に仕事に没頭し、家には寝に帰るだけの生活を繰り返した。

気が付くと年が明けていて、テレビをつけると新年のスペシャル番組ばかりやっている。

ブー、ブー、と携帯がテーブルの上で震え、気怠い体を起こした。


『…もしもーー』

『ちょっと剛っ‼︎あんた生きてるの⁉︎』


ハルの焦った声が、耳元で耳にキーンと響く。

朝からテンション高いっつーの…


『声がでけぇよ…』

『でかくもなるでしょ!メールしても返って来ないし、家に行っても留守だし』

『あー…悪りぃ』


そういえば、何通かメールが入ってたような気がする。
見る気がしなくて、メールを開いてもねぇけど。


『そんなに仕事忙しいの?』

『まぁな。今は朝から晩までフルで入ってるし』


クリスマス・イブ以来、開店から閉店までほぼ毎日店にいる。

店長には休めって言われるけど、繁忙期なだけあって猫の手も借りたいぐらい忙しいから、そんな強くも言われない。


< 229 / 284 >

この作品をシェア

pagetop