ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
あの日以来、今まで以上に仕事に没頭し、家には寝に帰るだけの生活を繰り返した。
気が付くと年が明けていて、テレビをつけると新年のスペシャル番組ばかりやっている。
ブー、ブー、と携帯がテーブルの上で震え、気怠い体を起こした。
『…もしもーー』
『ちょっと剛っ‼︎あんた生きてるの⁉︎』
ハルの焦った声が、耳元で耳にキーンと響く。
朝からテンション高いっつーの…
『声がでけぇよ…』
『でかくもなるでしょ!メールしても返って来ないし、家に行っても留守だし』
『あー…悪りぃ』
そういえば、何通かメールが入ってたような気がする。
見る気がしなくて、メールを開いてもねぇけど。
『そんなに仕事忙しいの?』
『まぁな。今は朝から晩までフルで入ってるし』
クリスマス・イブ以来、開店から閉店までほぼ毎日店にいる。
店長には休めって言われるけど、繁忙期なだけあって猫の手も借りたいぐらい忙しいから、そんな強くも言われない。