ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜


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半年前、先輩の卒業式の日。


『好きです!彼女がいるのは知ってます。だけど、毎日部活で先輩を見る度に気持ちが強くなって…』


駄目元で告白したのはいいものの、やっぱり面と向かって断られるのは怖くて、目をぎゅっと瞑って先輩の答えを待った。

だけど、しばらく経っても先輩からの返答はない。


きっとどうしようか困ってるんだ。
先輩は誰にでも優しいから、例えあまり話したことがない後輩相手でも、なるべく傷付けないように言葉を選んでくれてるんだと思う。

ハッキリと言ってくれて構わないのに。


もし告白したら、先輩がこうやって困るのはわかってた。
なのに、自分がすっきりしたいからって相手のことも考えずに行動しちゃうなんて…

こんな自分勝手な私が先輩に釣り合うわけがない。


『ご、ごめんなさい……今の忘れてーー』


顔を上げると、目を見開いたまま首筋から耳まで真っ赤に染めて固まっている先輩に、思わず息を飲んだ。


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