ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
『ちょっと、何よそれ。また女⁉︎』
ムッとした表情で声を荒げるハルに、うるさいと言わんばかりに顔を顰める。
『最近女遊びが過ぎるわよ⁉︎しかも毎回毎回別の女と』
『関係ねぇだろ』
『関係あるわよ‼︎私はあんたの親友よ⁉︎ううん、親友通り越して兄弟みたいなもんじゃない‼︎心配して当然でしょう?』
こいつ、最近ホントうるさくなった。
お前は母親かってぐらいガミガミ言ってくるし、ご飯食べてるか、ちゃんと寝てるのか、毎晩のように電話を掛けてくる。
『うっせーな。少し静かに出来ねぇのかよ』
耳に響くような甲高い声に嫌気がさす。
『ねぇ、剛。あんた変わったわよ?昔はこんな馬鹿げたことしなかったじゃない。京子がいた時は…』
『っっ』
ハルの口から京子の名前が出た途端、無意識に肩がビクッと震えた。
それに気付いてか、ハルも『…ごめん』と口を閉ざす。
重苦しい沈黙。
わかってるんだ、ハルが心配してくれてることぐらい。
でも、俺はこんなボロボロになった自分をどうすればいいかわからない。