ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜


だけど、日が経つにつれて実感する。

隣りに京子がいない。

それまで当たり前にいた京子がいないだけで、俺の世界が180度ぐるりと変わったようだ。


ブー、ブーと机の上で震える携帯。
最近、見知らぬ女の連絡先が増えた。

街で声を掛けられたり、店で連絡先を渡されたり。
以前の俺だったら女なんてウザいって無視してきたけど、今は来るもの拒まず。

すると、あっという間に連絡帳は顔も思い出せない女で埋め尽くされ、始終携帯は鳴りっぱなし。

時間があれば、タイミングよく連絡をしてきた女を家に呼んで抱く。


京子がいなくなってから空虚感に苛まれた俺は、それを埋め尽くすように女と関係を持ち、泥沼にはまっていったーーーー。




あれから8年。
俺の中の京子の存在は次第に小さくなっていったものの、完全には消えてはくれず。

体だけの関係を持つ女は数名に限られ、前のように来るもの拒まずで連絡先を交換しなくなった。

関係をもつ数名の女はそれぞれ彼氏や旦那がいて、俺にそれ以上の関係を求めてくることはまずない。



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