ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
「そんな前から…?」
恵里奈は俺の初めての告白に酷く驚いたようで、信じられないと言わんばかりに目を見開く。
そりゃそうだろう。
俺だって自分が信じられなかったんだから。
基本ガキも女も嫌いなこの俺が、高校生相手に、しかも名前も知らない女を好きになるなんて誰が信じられる?
ハルが聞いたら、驚きの余り失神してしまうんじゃないだろうか。
「正直引いたろ?駅で探すとか、まじストーカーレベル」
そう言って、ふっ、と嘲笑うと 、恵里奈はブンブンと勢いよく首を横に振った。
「引いたりしてません。ストーカーだとも思ってません。正直、そんな前から見ていてくれてたなんて驚いたけど…嬉しいです」
波の音に負けてしまうんじゃないかというぐらい小さな声で、恥ずかしそうに言う恵里奈の手を握る。
予想以上に冷たくなった指先を、俺の体温で温めるようにきつく。