ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜


店に連れてってパンケーキを作ってやると、芸術品みたい、と言う恵里奈。

ただのパンケーキをそんな風に言う奴は初めてで、恥ずかしい奴だな、と思いつつ実は内心凄く嬉しかった。

しかも美味そうに、幸せそうにパンケーキを頬張る姿は、俺の気持ちも完全に掻っ攫ってった。


欲しい。

人に親切にする強さを持つこいつを。

透き通った涙を拭ってやるのも、照れた顔や怒った顔を見れるのも。
全部が、俺だけのものに。


「あの後すぐに全ての女との関係を切った。身体だけの関係なんてホント何も残らなくて、笑っちゃうほどあっさりした別れだったよ」


付き合ってたわけじゃないけど一人ぐらい面倒なことになるんじゃないかと予想していたのに、返ってきたメールは“わかった”だの“あっそ”だの簡素なものだった。


ふっ、と嘲笑うと、情けなくてしんみりした気分になる。


「何だったんだろうな…この8年間」




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