ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
『っっ!え、あ…あの……』
予想していなかった先輩の反応に戸惑いの声が漏れる。
それもそのはず。
誰がこんな先輩の反応を想像出来るだろうか。
少なくとも、恋愛の経験が皆無な私には到底無理な話だ。
『あ…ごめん。ちょっと驚いて……』
『いえ…こちらこそ、突然こんなこと言ってごめんなさい…今のは忘れてくれて構いませんから』
とりあえず、もうこの場から早くいなくなりたくて、『聞いてくれてありがとうございました』とお礼だけ言って先輩に背を向ける。
駆け出そうとした、その時。
『ちょっと待って‼︎』
先輩が私の手首を掴み、引き止めた。
ドキッと跳ね上がる心臓。
初めて感じる先輩の手の温もり。
掴まれた手首がジンジンと焼けるように熱い。
『俺、少し…いや、かなり嬉しいんだけど』
そう言って、先輩は更に赤くなった顔を反対の手で隠した。