ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
「お前、可愛すぎ」
運命なんて言う奴は馬鹿だ、って思ってた。
そんなものあるわけがない、ずっとそう思ってたのに。
これが惚れた弱みってやつなのか。
そう言われると、恵里奈と出会うことは決まってたんだ、と思えてくるから不思議だ。
「なぁ、キスしていい?」
今すぐキスして、めちゃくちゃにしてやりたい。
こんな可愛いこと言われて、我慢出来るわけがないだろ?
「へっ⁉︎だ、駄目っ‼︎」
「なんで?」
「なんでって、ここ…外だし」
ゴニョゴニョと語尾になるにつれて小さくなる声。
必死で逃げ道を探してるような口振りに、笑みが漏れる。
「誰もいないから見られない」
「そ、そういう問題じゃ…」
「じゃあどういう問題?」
焦ってる姿が可愛くて、ついからかってしまう。
「っっ……意地悪」
潤んだ瞳で上目遣いに見つめてくる恵里奈。
「もう限界」
俺は恵里奈の顎を掬うと、半ば強引に唇を奪った。