ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
そんな顔されたら、帰したくなくなる。
今日はお母さんに、ちゃんと帰す、って約束したし。
それに、今日恵里奈と一緒にいたら、手を出さない自信ない。
「寂しいのか?」
「…はい」
「…またいつでも店に来いよ?あんま相手はしてやれないけど、そこにいるだけで嬉しいし」
「な、並木さぁん…‼︎」
「馬鹿。んな、泣くなよ」
やっと少し泣き止んだと思ったのに、また泣き出す恵里奈。
ったく、子供をあやしてるみたいだな。
「だって、そんなこと言ってもらえるなんて…今日の並木さん、怖いぐらいに優しくて」
「怖いぐらいって失礼な奴だな」
服の袖で涙を拭ってやる。
泣く女なんて好きじゃなかった。
強くて自分を持ってる奴がタイプだったのに、恵里奈なら何でもいい。
「恵里奈ももう少し我が儘言えよ?店にだって来ないようにしてるだろ?」
「ゔ…だって…」
「我慢すんじゃねぇよ。お前は我が儘言うぐらいが丁度いい。何でも物分かりいいようにし過ぎだ。俺はどんなに我が儘言われたって、いなくなったりしねぇよ」