ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
Ⅵ.極上なスイーツ
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「お待たせ致しました。アメリカンコーヒーで御座います」
カップから白い湯気が上がる。
それをゆっくりと吸うと、コーヒーの香りが身体中に染み渡ってなんとも気持ちがいい。
「この間はごめんね。私、余計なことを言ったわ。彼女、大丈夫だった?」
平日の昼下がり。
仕事の休憩を使って、メインストリート沿いにあるカフェチェーン店で京子と待ち合わせた。
「ああ、問題ないよ」
「そう。なら良かった」
京子はコーヒーに砂糖とミルクを入れると、俺の分の砂糖を手に取った。
「剛は使わなかったよね。貰うわよ」
京子は甘党で、昔からコーヒーに砂糖を二つ入れる。
俺と付き合ってた時も、今と同じように俺のを勝手に取って入れていたっけ。
「相変わらずだな」
「このコーヒーの苦さだけはいつになっても駄目なのよね」
京子は甘そうなコーヒーを一口飲むと、「美味し」とほっと息を吐いた。