ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜


「どうして彼女なの?あんなに若くて、いい意味で幼い」

「だからだよ」

「え?」


意味がわからないと言わんばかりに、キョトンとする京子。


「純粋で、真っ直ぐで、素直なんだよ。俺らが忘れちまったもんを持ってる。初めはあいつの泣き顔しか印象になかった。いつも辛そうで、でも一生懸命でさ。いつしか俺がこいつを笑わせたいって思った」


辛い恋をしていた恵里奈。
だけど、いつも全力だった。

思い出せば、俺にもそんな頃があった。
何にでも全力投球で、だからこそ傷付く事もある。
だけど、楽しいことも嬉しいこともそれ以上にあって、今思うと幸せな学生時代だったと思う。


「確かに見た目は普通だけどな」


恵里奈より可愛い女はその辺にたくさんいるかもしれない。
俺と同世代で、スタイル良くて、魅力的な女なんて探せばいくらでも見つかるだろう。

でも俺は、恵里奈がいい。

もう、あいつ以外目に入らないぐらいだ。


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