ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
京子の瞳が揺れる。
こんな京子、俺は知らない。
相手を思って泣く、女の顔をした京子。
俺はこいつの何を見てきたんだろう。
京子は女。強く見えても、弱い部分もある。
一人で立派にやってる奴だって、誰かに寄りかかりたい時もある。
気を許して、泣けて、笑えて。
自分を受け止めてくれる存在が必要で。
京子はその役目を、俺には求めなかった。
いや、求めていたのに、俺が気付かなかっただけなのかもしれない。
やっとそういう人が出来たのに、彼は8歳も年下。
未来ある若者の将来を、自分のために犠牲にしてもいいのか。
そもそも彼の気持ちは本物なのか。
不安だろう。
俺も同じ立場だから気持ちはよくわかる。
離れたくない、けど、離れた方が彼のためなのかもしれない。
好きだからこそ、彼の幸せはここにないんじゃないかと考えてしまうんだ。
「プロポーズされて嬉しかった。すぐに胸に飛び込んで、はい、って返事したかった。でも…私は彼から逃げてしまった」