ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
涙がテーブルを濡らす。
震える唇、肩、声。
京子の不安と後悔の気持ちが胸に突き刺さる。
何とかしてやりたいけど、それは俺の役目じゃない。
彼じゃないと、意味がない。
「逃げてから会ってないの。すぐに日本に発ったから……っ、離れたくない…ずっと彼の側にいたいのに、怖い。プロポーズは冗談だよって笑われるかもしれない。彼の親に反対されたら?彼の…彼の未来を、私との結婚で壊してしまったら?考えれば考えるほど、怖くてたまらない」
「なら、その気持ち、全部ブチまけろよ」
「そんなこと、出来ない…」
「なんで?好きなんだろ?離れたくないんだろ?なら今俺に言ったこと全部ブチまけて、話し合えよ。一人で悩んでも答えなんて出ない。ちゃんと向き合え」
俺が好きになった京子は、強くて、自分を持ってて、男よりも頼りになって、尊敬出来る奴だった。
こんなの俺の我が儘かもしれないけど、俺の前では凛とした京子でいてほしいんだ。
「お前なら出来るよ。怖いかもしれないけど、逃げるな」
「っっ」
お前は強い、そう口から出かかった言葉を飲み込む。