ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
なんだ、そういうことか。
どうやら妄想なんかじゃなかったみたいだけど。
だからって私なんかが一緒に行ってもいいのかな?
彼女さんは、彼氏が違う女と映画に行って嫌じゃないのかな?
『駄目かな?』
考え込んで何も答えない私の顔を、しょぼんと落ち込んだように眉を下げて覗き込む先輩。
思わぬ至近距離にドキッと胸が跳ね上がる。
駄目なわけ、ないよ…
例え彼女の代わりでも、大好きな先輩とデート出来るんだよ?
こんなチャンス、もう二度とないんだよ?
先輩には彼女がいて、私には入る隙もないぐらいラブラブで。
絶対に先輩は私のものにはならないんだから。
一回ぐらい…いいよね?
これが最初で最後だから。
『……駄目なんかじゃ、ないです』
『ホント?』
私が軽くコクンと頷くと、先輩はパアッと笑顔になって喜んでくれた。
眩しすぎる先輩の笑顔に、頭がくらくらする。