ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
私は見るだけでお腹いっぱいになっちゃうけど…
瀬奈は痩せているくせに、甘いものならどんなに多くてもペロッと食べちゃうんだよね。
「そういえばね、」
瀬奈がぽんっと手を叩いて話し始めると、同時に私の携帯から着信音が流れた。
あっ、この音。先輩からだ!
普段、あまり鳴ることのない先輩専用の着信音に心臓が跳ね上がる。
「ごめん、電話出てくるね」
瀬奈に謝りを入れて、廊下に出る。
手の中で今も鳴り続ける携帯を握り締めながら、ふぅ、と息を吐いて心臓を落ち着かせた。
「もしもし?」
『恵里奈ちゃん?突然ごめんね。今大丈夫?』
電話越しに聞こえる大好きな人の声に、嬉しさがじわーっと胸いっぱいに広がる。
「はい、昼休みなんで大丈夫です。どうかしましたか?」
『うん…その、昨日のこと謝りたくて』
先輩は声のトーンを落として、申し訳なさそうに言った。