ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
だって、私には先輩だけだもの。
他の男性なんて全く興味ないんだから。
『凄い心配。恵里奈ちゃん、意外と天然で鈍感なとこあるから』
「天然で鈍感って…ひどいです…」
『もし言ったら、俺…気狂って、その男殴りに行くかもしれない』
「覚えておいて」と言った先輩の声が、いつもより低かったのは気のせいじゃないと思う。
先輩、どうしちゃったの?
昨日のヤキモチといい今回といい、今まで期待させるような言い方しなかったのに。
そんな風に言われたら、私、期待しちゃうじゃん…
ドキドキと高鳴る鼓動。
熱を帯びる頬。
嬉しさと戸惑いから、上手く頭が働かなくて言葉が出てこないでいると、
ーーーキーンコーンカーンコーン。
『あ…もう昼休み終わりか』
タイミング良く鳴り響く予鈴に、ホッと息を吐いた。
いつもの私ならもっと話したくてガッカリするはずなのに、今日は少し安心した自分がいる。
これ以上先輩と話してたら、心臓がいくつあっても足りない。