ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
早く電話を切り上げたくて言葉を探していると、そうだ、と先輩が思い出したかのように言った。
『今週の日曜日、午後から部活だよね?』
「はい、そうですけど」
『だよな。了解』
「ん?日曜日何かあるんですか?」
『…いや、何でもないよ』
何だろう?
先輩、今少し笑ったような…
気のせいかな?
違和感を感じていると、先輩はそんなものを一気に吹き飛ばすくらいとびっきり優しく甘い声で、
『俺以外の男に惚れんなよ?』
そう言って、じゃあな、と電話を切った。
鼓膜を震わす大好きな先輩の声に、カァッと顔が熱くなる。
もう!先輩の馬鹿!絶対今のわざとだ。
私が顔赤くなるのわかってて言ったんだ。
すぐ教室戻らなきゃいけないのに、こんな顔じゃ戻れないよ。
熱くなった頬に手を当てる。
「どうしよ…」
「どうしようって、また何かあった?」
突然聞こえた声に、勢い良く振り返った。