ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜


「っっ‼︎あっ‼︎‼︎」

「何だよ…」


突然大きな声を出した私に、怪訝な表情を浮かべる並木さん。


わかった!何かおかしいと思ったら、並木さんの言葉遣いだ。

カフェでは紳士的だったのに…
確かに昨日は仕事だし、接客業だからあれが普通なのかもしれないけど。

それにしたってプライベートと差があり過ぎる。

だって、ほぼ初対面の私にアホって言ったよ?
口悪過ぎでしょ‼︎


「だから何⁉︎」


今もなお、じとーっと見続ける私に、並木さんの眉間の皺が徐々に濃くなっていく。

猫かぶり過ぎですよ、と口を開こうとした時、


「あっ!並木さん、ここにいたんですか⁉︎」


同じクラスの橘賢也(タチバナ ケンヤ)君が携帯片手に走ってきた。


「賢也、遅ぇぞ!」

「遅いって、昇降口で集合って言ったじゃないですか。俺、ちゃんと時間通りに待ってたんすよ!携帯鳴らしても出ないし」


< 41 / 284 >

この作品をシェア

pagetop