ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
「っっ‼︎あっ‼︎‼︎」
「何だよ…」
突然大きな声を出した私に、怪訝な表情を浮かべる並木さん。
わかった!何かおかしいと思ったら、並木さんの言葉遣いだ。
カフェでは紳士的だったのに…
確かに昨日は仕事だし、接客業だからあれが普通なのかもしれないけど。
それにしたってプライベートと差があり過ぎる。
だって、ほぼ初対面の私にアホって言ったよ?
口悪過ぎでしょ‼︎
「だから何⁉︎」
今もなお、じとーっと見続ける私に、並木さんの眉間の皺が徐々に濃くなっていく。
猫かぶり過ぎですよ、と口を開こうとした時、
「あっ!並木さん、ここにいたんですか⁉︎」
同じクラスの橘賢也(タチバナ ケンヤ)君が携帯片手に走ってきた。
「賢也、遅ぇぞ!」
「遅いって、昇降口で集合って言ったじゃないですか。俺、ちゃんと時間通りに待ってたんすよ!携帯鳴らしても出ないし」