ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜


急に黙り込んで動かない並木さん。
意味もわからず並木さんを見つめ返す私。


ややの沈黙が耐えきれなくなって何か言おうと口を開き掛けた時、「行くぞ」と言って急に歩き出した。


「え?ちょ…ちょっとっ!」


直様、鞄を肩に掛けて並木さんを追い掛ける。


別に行くぞと言われたからといって、着いていかなくたっていいんだけど。
何でだろう、身体が勝手に反応していた。


広場からメインストリートに入ると、並木さんは人の間を縫うように早足で進んでいく。

私は当然、並木さんの早足に着いていけるはずもなく小走りで後を追った。


だけど、人が多い中を小走りで進むのは案外疲れるもので。


「並木さん、何処に行くんですか?」


目的地はまだなのかと、息が苦しくなりながらも問うと、並木さんは振り返りも速度を落とすこともせず。


「うるさい。黙ってついてこい」


と、冷たくあしらわれた。


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