ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜


「ねぇ、あなた!名前は何て言うの?歳はいくつ?その制服、高校生よね?」


店長さんが目をキラキラ輝かせて、私に詰め寄ってくる。

違います、って答える間もないぐらい喋り続ける店長さんに、ただただ圧倒されていると、


「剛とは何処で知り合ーー」


パコーンッ!


店に着くなり、すぐキッチンに入って行った並木さんがいつの間にか戻って来ていて、分厚い雑誌を丸め店長さんの頭を叩いた。

その雑誌の異様な厚さと、鳴り響いた快音、そして…


「っっ、いったーいっ‼︎」


店長さんの痛さに歪んだ顔で、見てるこっちまで頭がヒリヒリしてきそうで、咄嗟に目を瞑った。


「おい、ハル。変な詮索すんな」

「だって、こんな可愛い子を剛が連れて来るから気にもなるじゃない」


ねぇ?、と同意を求めて来る店長さんに、はは、と苦笑いを浮かべる。


「こいつはそんなんじゃねぇよ」

「じゃあ何だって言うの?まさかっ!誘かーー」


パコーンッ!


さっきよりも強い打撃が、店長さんの頭に降り注いだ。


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