ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
二回目は約束をしていた日の朝。
私が念入りに準備をしていると、先輩から「今日、会えなくなった。一人暮らしの彼女が具合悪くて…ごめん」とメールが来た。
先輩に嫌われたくない一心で、二回とも快く送り出す聞き分けのいい女の振りをした。
本当は行ってほしくなかったし、私を優先してほしかったけど。
私は彼女じゃない、彼女には勝てない。
先輩と会えなくなる方が嫌で、二番目でもいいから一緒にいれる今の立場を選んだのは私。
好きだから、大好きだから…
惨めでもいい、遊びでも構わない。
それでも先輩といたい、そう思ってた。
だけど、あの日先輩と初めてのキスをして一歩踏み出してしまった。
箍が外れたみたいに、今まで出来ていた我慢が出来なくなって、もっともっとって欲張ってしまう。
もう止まれなくなっていた。
もし、あの日一歩踏み出さなければ。
これ程までに、苦しくて辛い気持ちにはならなかったかもしれない。
また聞き分けのいい女を演じて、先輩との関係を続けられたかもしれない。