ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
「…好きだよ。俺も恵里奈が好きだ」
耳に当たる先輩の胸から、強くて早い鼓動が聞こえる。
先輩が初めて好きだって言ってくれた。
嬉しくて、胸が破裂しそうなぐらいドキドキしてる。
だけど、嬉しいはずなのに、幸せなはずなのに…
まだ不安が消えない。
その好きはどれぐらいの気持ちなの?
先輩の中で、今私は何番目?
すると、先輩は更に私をきつく抱き寄せて、耳元に顔を埋めた。
「この先の言葉は今は言えない。だけど、美緒とはすぐに別れる。だから、信じて待っててほしい」
「先輩…」
「いつも不安にさせてごめんな。近いうちに絶対はっきりさせるから」
だから待っててくれないか、と言った先輩を返事の代わりに抱き締め返す。
「うっ……っ、」
先輩の腕の中で嗚咽が漏れる。
とてもじゃないけど声に出して返事が出来なかった。
それぐらい信じられなくて、奇跡で。
もう死んでもいいって思った…