ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
その後、先輩と手を繋いだまま他愛もない話をしたり、時折抱き合ったりしながら時を過ごした。
だけど、高校生の私には夜遅くに制服のまま出歩くなんてもってのほかで。
先輩に「今日は遅いからもう帰りな」と言われてしまった。
離れたくない。
一分一秒でも一緒にいたい。
先輩は寂しくないのかな…
こんな風に思ってるのは私だけ?
しょぼんとした私を見て、先輩は「おいで」と手を広げた。
すぐに先輩の胸に飛び込む。
「帰したくないな」
「っっ!私も…帰りたく、ない…」
「もっと早く大人になって…帰さなくてもいいように」
そう言って、熱いとろけるようなキスを落とした。
早く大人になりたい。
先輩に釣り合うような大人で綺麗な女性に。
彼女の美緒さんに負けないぐらい素敵な人に…
公園を出て、駅で先輩を見送る。
先輩は見えなくなるまで後ろを振り返って手を振ってくれた。