ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜


好きな人に好きになってもらえるって、こんなにも幸せなことなんだと初めて知った。

先輩の気持ちがわからなくても一緒にいれれば幸せだ、なんて思ってたけど。
幸せの濃度が天と地ほど違う。

これ以上の幸せなんてないんじゃないか。

そう思えるぐらい、私は舞い上がっていた。



「何してんの?」


先輩が見えなくなった駅構内をぼーっと眺めながら幸せに浸っていると、突然目の前に並木さんの顔が現れた。

うわっ!、と驚いて大声を上げると、並木さんは耳を塞ぎながらうるさいと言わんばかりに眉を顰めた。


「なっ、ななななっ、並木さん‼︎」

「お前、声でかい」

「そりゃ大きくもなりますよ!急に目の前に顔が現れたら誰だって驚くに決まってんじゃないですか‼︎」


思い返すと、並木さんは毎回突然現れて、その度に驚かされてばかり。

この人は普通に登場出来ないんだろうか。

そんなことを考えながら、並木さんをジィッと見つめる。



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