ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
「だから、でかいって言ってんだろ」
「並木さんはなんで毎回急に現れるんですか?」
はぁ、と呆れたように溜息を漏らしポツリと言う並木さんを無視して、気になった事を聞いてみると、
「お前が俺の行くとこ行くとこに現れるんだろーが」
そう言って、私の額に軽くデコピンを食らわせた。
然程痛くないのに、痛っ、と額を摩る。
「今日は泣いてねぇんだな」
「へ?」
ふっと笑う並木さんに目をやると、その柔らかな笑みに胸が跳ね上がった。
そうだ。
昨日、並木さんに泣いてるとこ見られてたんだ。
思い返すと、ホント恥ずかしい。
だけど、並木さんのお陰でそこまで落ち込まずに済んだんだよね。
なのに私ったら、まだお礼も言ってない。
「並木さんっ」
「ん?」
「昨日はありがとうございました」
ペコっと頭を下げる。
もし、並木さんに慰めてもらわなければ、もう少し先輩に色々暴言を吐いていたかもしれない。
そしたら、私達の関係は完全に崩壊していたはずだ。