ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜


あれから一度、並木さんがパンケーキの作り方を教えに学校に来てくれたけど。
その時も、そして今も。
並木さんのことばっか気にしてる。

なんでかわからないけど、気になって仕方がない。


「恵里奈?どうした?」

「…へ?あ…ううん、何でもない」


文化祭委員のクラスメイトに声を掛けられハッと我に返る。

目の前には盛り付け前のパンケーキが乗った皿が三つ。


「これも盛り付けお願い。具合悪かったら言ってね?」

「うん、ごめんね。ありがとう」


いけない、いけない。
忙しいんだからぼーっとしてる暇なんてないのに。

頬をぱんぱんっと叩いて、頭の中から並木さんの存在を消し去る。

でも、同じ部屋の中にはもちろん彼がいて声も聞こえるし姿も視界に映る。

そんな中、頭の中から完璧に消し去ることなんて出来なかったけど、なんとか自分の役割だけはきちんとこなした。



それから少しして、係交代の時間になった。

ホール係の瀬奈を迎えに、調理室の隣りの特別教室で営業してるカフェに向かう。


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