人見知りのキリスト
雪景色が曇り、かまくらが色を失い、澄人少年が涙で霞んだ。



「オジサン、泣いてるの?」



不思議そうに澄人少年が訊ねた。


俺は坊ちゃん刈りの頭に手を置き、優しく撫でた。

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