人見知りのキリスト
さっきまで泣いていたチビは「夢か」「夢なんだ」と呪文のように呟きながら、周囲をキョロキョロと見回している。



しばらくすると、踏切が見えてきた。


この商店街は東京西部を横断する私鉄に一旦遮られる。


カンコンカンコンと警笛が鳴り出し、遮断棒がゆっくりと下りてきた。


立ち止まり澄人少年の手を強く握ろうとした、正にその時だった。
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