人見知りのキリスト
ひとつ大きく息をつく。


全身が小刻みに震えていた。


冷や汗が一気に噴き出し、シャツが背中にベットリとへばりつく。


早鐘の如き心臓の鼓動が自分の耳にはっきりと伝わってきた。


トライアスロンを戦い終えた選手に引けをとらぬほど、俺の心拍数は急上昇していた。



「お、お前……一体、一体どういつもりだ!! 危ないだろ!!」



何度も怒鳴りつけたが、澄人少年はキョトンとした様子で俺の顔を見つめるばかりだった。
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