人見知りのキリスト
「澄人、お前将来何になりたい」



俺はそう訊ねた。



「しょうらい?」



――おっと、こいつはまだ8つだったか。



「大きくなったら、何になりたいかってことさ」



すると、澄人少年は間髪入れず答えた。



「プロ野球選手! サードで4番を打つんだ!」



少年の瞳はキラキラと輝いていた。



――確かにそんなことを夢みていた気もするな。
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