人見知りのキリスト
「え?」



少年は意表をつかれたようだ。

神様の俺「キリスト」がこの場から霞のごとく消えていくとでも思っていたのだろう。



「もう一度、その中でひと眠りしたら、お前は夢から覚めるんだ」



「そっか……オジサンともお別れだね」



――お別れだなんて、

こいつ、洒落た言葉を知ってるじゃないか。

あんまり後ろ髪を引っ張るようなことを言わないでくれよ。

寂しくなるじゃないか。
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