人見知りのキリスト
そして、包帯が取れる日――。


父と母が見守る中、看護婦さんがゆっくりと俺の顔をあらわにしていった。


何重にも巻かれた包帯がするするとはがされていく。


心配そうにジッとこちらの様子を見つめていた両親だったが、包帯を取り終えると、何故だか目を背けてしまった。


忌々しげに表情をゆがめる父、
哀れで正視に耐えかねてしまったとでも言いたげな母。
< 19 / 216 >

この作品をシェア

pagetop