人見知りのキリスト
賛美歌を歌う聖歌隊に視線を向けると、その中にシスターの姿をした母がいた。
――あ!? やっぱり、母さんだ!
28年の星霜は芳江をそれなりに老けさせているはずだったが、自分の記憶の中にいる昔の母と何ら変わらない様に見える。
溢れ出そうになる涙が網膜に映る映像を曇らせているのか。
"オードリーは母だった"
28年前に家を追い出され、聖職に身をおいた芳江。
彼女は今、シスターになっている。
迷える子羊たちを救うシスターに。
"救われなければいけないのは、あなたですよ。母さん"
このミサが終わったらゆっくり話そう、
そして詫びを言いたい。
荘厳で透き通った歌声が心に染み渡っていった。
――あ!? やっぱり、母さんだ!
28年の星霜は芳江をそれなりに老けさせているはずだったが、自分の記憶の中にいる昔の母と何ら変わらない様に見える。
溢れ出そうになる涙が網膜に映る映像を曇らせているのか。
"オードリーは母だった"
28年前に家を追い出され、聖職に身をおいた芳江。
彼女は今、シスターになっている。
迷える子羊たちを救うシスターに。
"救われなければいけないのは、あなたですよ。母さん"
このミサが終わったらゆっくり話そう、
そして詫びを言いたい。
荘厳で透き通った歌声が心に染み渡っていった。