人見知りのキリスト
憔悴しきった俺は老神父に肩を抱かれながら、二階のとある部屋に連れてこられた。


部屋の中央に置かれた棺が嫌がおうにも目に入った。


神父に促され、よろぼうような足取りで棺に近く。


透明の小窓から、目を閉じた母の顔が窺えた。


表情は穏やかそのものだ。



眠っているだけなんだろ?



こんなところに入って、俺をみんなで脅かそうって言う魂胆なんだろ!
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