人見知りのキリスト
俺は棺の蓋を力づくで取っ払った。


シスターの姿をした母が眠るように横たわっていた。


母の体を激しく揺さぶり、俺は叫んだ。



「母さん! 俺だよ! 澄人だよ! なあ、母さん!」



しかし、目覚める様子は一向になかった。


薄化粧を施した母の顔は年齢相応の皺を刻んでいた。




何なんだよ……。


一体何なんだよ! これは!


28年ぶりの再会がこれかよ!


目を開けてくれ!


母さん! 目を開けてくれ!!
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