人見知りのキリスト
「ええ、編集者にうまいこと乗せられましてね」



龍神は黒縁眼鏡の質問にさも照れた様子で答えた。


街のごろつきの様な風体だが話し方は粗暴ではない。



「作家になるのも並大抵のことではないのに、その男ぶりでしょ。天はニ物を与えたというか、う~ん、正直、くやしい! やはり学生の頃からおもてになったんでしょ?」



黒縁眼鏡がおもねるように訊ねた。
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